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2018年 08月 29日 ( 1 )

CASIO AQ-18

時系列からちょっと離れますが、ちびまる子ちゃんのキャラクターウォッチだったか、目覚まし時計だったかをやったことがあるのですが、その時に打ち合わせした代理店のおっさんが「ちび・まる子」と区切って発音していたのが印象的でした。しかも、「ちび」は平坦、「まる子」は末下がりのイントネーションです。
「あれが業界の発音なの?」としばらく僕らの間で話題になりました。
気になったのでググってみましたが、それらしき時計が出てこないので、話だけで量産には繋がらなかったのかもしれません。だからはっきり覚えてないのかも。



昨日のALTI-DEPTH METERと同時期のデザイン室を離れていた時期の仕事で、AQ-18というのが有ります。
見ての通り、なんということは無いコンビネーションの時計です。

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この時計は308 306というカシオの内製2針モジュールを使っているのですが、リューズは無く全てプッシュで操作します。

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ケースデザインは、確かgop氏がデザインしたアナログ3針モデルをそのままサイズ変更して使い、文字板は1年くらい前に自分でやった角デザインを丸くしただけの、手抜きのデザインです。

この機種の特筆は、四角いモジュールを丸型に収めるために、中枠という白い樹脂のパーツにギミックを持たせた事です。

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上に書いたように、もともと変形八角モジュールなので、プッシュの接点は内側に有ります。
そして、丸い文字板を下から入れるためにはプッシュボタンの先端はケースの近くになければいけません(真鍮色が文字板)。

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でも、接点をメークするためにはプッシュボタンの先はモジュールまで届かなければいけません。下の写真は適当に作ったCGです。
そうすると、今度は文字板が入りません。

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そこで、この隙間をナイロンの中枠に半島部を作ることによって埋めるというのが、この時のアイデアです。
中枠はどうせ必要になるパーツなので、パーツを増やすことなく低コストで丸文字板を角モジュールで使えるのです。

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このアイデアを設計のSKN課長に話して、実証サンプルを作ってそのまま量産しちゃったのがAQ-18なのです。まさかそのまま量産するとは思ってないから、手抜きのデザインです(笑)。
この構造の特許もSKN課長が出して、報奨金はそっちに行っちゃったんだろうなぁ…


この構造を使って一番売れたのが、AW-30という機種です。
これはAQ-18と違って、ちゃんと企画ラインアップされた機種で、gop氏がデザインしてます。
30年経ってますので、ウレタンバンドは加水分解で崩壊してます。

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今日のおまけは昨日の写真の反対側。
後ろのドラフターは設計セクションの遺物で、予備として残してあっただけで実際には使ってなかったです。その後ろに並んでいるCADで設計してました。

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よく見たら、僕のデスクの前にノンタンのポラロイドが貼ってあります。懐かしい!

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僕とIT君はここで気ままにやりたい事をやって、時々上司のSHJ次長に報告する生活でした。
IT君はこの2年間のうちの2ヶ月ほどを有給扱いで、夫婦でヨーロッパに旅行に行ったりしてました。わがままを聞いてくれたんだよね、SHJ次長。

そんなIT君は、この後カシオを辞めて故郷に戻り、2013年には一緒にカヤックをやったりしましたが、その翌年にカヤックから下船した所で心臓発作を起こしてお亡くなりになってしまいました。合掌。

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by river_kingfisher | 2018-08-29 08:00 | 過去の仕事 | Trackback | Comments(2)